2020年5月9日土曜日

見えないものに目を注ぐ

先日、卒園児のお母さんがお子さんと一緒に園を訪ねてくださいました。

「今日マスクが買えたので、よかったら使ってください。先生たち、どうしてるかな?と心配していました。」とマスクを持ってきてくださったのです。

ご自身も働き続けている中で、このように思ってくださっていることに、本当に嬉しくありがたく思いました。


それから数日後、在園児のおばあさまが、手作りのマスクを持って来てくださいました。

「こんな状況の中、保育をしていただいてありがとうございます。ゴムが手に入らなくて、こんなのですが、よければお使いください。」

そんな言葉を添えて。





緊急事態宣言が延長され、神戸市でも特別保育が継続されています。

世界中で多くの尊い命が失われ、子どもたちは友達と遊ぶ自由を失い、保護者の皆さんも在宅勤務など通常とは違う状況を強いられている状況です。
また、医療現場などでそれぞれに懸命なお働きをしてくださっていることも覚えます。


本当に先の見えない中、疑心暗鬼になったり、いつもよりギスギスしたり、誰かのせいにしたり。

目に見えないコロナウイルスは、私たちの内面へもダメージを与えているように感じます。


しかし、けっしてネガティブなことばかり増えているのではないのだと思います。

冒頭で、マスクをいただいたお話をしましたが、私たちはマスクという目に見えるものではなく、「想いやり」という目に見えないものをいただいているのだと、思っています。


互いに相手のことを想像し、それに対して応答する。

今、大変な状況だからこそ、これまでよりも、そんな力が強められているのではないでしょうか。


今回のコロナ禍が収束した時、私たちは以前よりも他者に対する想いやりや、優しさを強められているのではないかと、そう確信しています。

「困った時はお互いさま。」

いつも助ける側と助けられる側が同じではなく、誰もが困った状況になり得ますし、助ける側にも、助けられる側にもなり得ます。

「助けて」と言い合える社会を、そして互いに支え合える社会を大切にしていければと願います。


聖書にはこんな言葉が書かれています。

「わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。」
コリントの信徒への手紙二 4章18節


私たちは、皆さんから目に見えない想いをたくさん注いでいただいていることを改めて実感しています。

私たちも、子どもやご家庭に少しでも目に見えないものを注いでいければと思っています。


ご家庭で過ごす時間が増える中、お困りのこともあることと想像します。

何かあれば、いつでもご連絡をいただければと思います。

私たちは、はなれていてもつながっています。


一日も早くこの状況が収束することを願いつつ、一人ひとりの子どもに、一つひとつのご家庭に神様の豊かな恵みが注がれるようにと、心よりお祈りいたします。

感謝をこめて。


神戸学園都市YMCAこども園
職員一同より